若手研究者と一般市民との対話の機会をつくり、若い人の理系ばなれの歯止めに微力ながらお役に立ちたいと思っております。

第20回「魚のヒレに潜むコラーゲンと細胞達の話」

京都大学理学研究科の黒田 純平先生に「魚のヒレに潜むコラーゲンと細胞達の話」と題して分かりやすくお話をして頂きました。蛍光標識技術のおかげで、ゼブラフィッシュのヒレの生きたままで巨大なコラーゲン分子、アクチノトリキアとそれを取り巻く細胞の動きを観察することができました。ミクロの世界をきれいな映像で楽しむことができましたね。各細胞が自分の取るべき動作をわきまえていて、組織全体が構成されていく仕組みは見事です。また、同じ仕組みが別の生物とも共通点があるらしい。どんどん、その興味の深みに入り込んで行きそうです。
(研究テーマ)動物の器官、特に移動に関わる手足やヒレ、羽などの外部器官には、大きな剛性としなやかな動きが必要とされる。これらの器官を作っているのは、やわらかな細胞と、コラーゲン・ケラチンなどの細胞外のタンパク質、およびハイドロキシアパタイトで構成される硬組織であり、細胞は、これらの素材を適切な配置に組み立てることで、機能的な外部運動器官を作り上げる。それでは、どのようにして小さな細胞は自身のスケールをはるかに超える構造を正確に構築することができるのだろうか?

第20回サイエンスカフェ高槻
2021/12/19